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なぜニコニコ動画の実況プレイ動画が面白くなくなったのか?

 なぜ実況プレイ動画が面白くなくなったか? それは、ニコニコ動画や実況プレイ動画が、世間的に有名になったからだ。
 昔は、著作権無視で、好きなことができた。無茶苦茶なことができた。ゲームを改造した動画や、エミュレーターを使用した動画が平然とアップされていた。だから面白かった。大雑把に言えば。
 今は、著作権侵害で動画が削除されるようになった。ゲームメーカーがニコ生で宣伝配信をするようになった。それにより、昔のような良くも悪くも自由な空気が失われていった。
 人気になりたい実況者は、ルールに則った、当たりさわりのない動画を作るようになった(そのような動画が女性や子供にウケた、と言う人もいるが、本当のところはわからない。大人の男にだって、無難なものが好きな人はいるだろう)。
 さらにそのような、当たりさわりのない人気実況者の真似をする人が増え、当たりさわりのない動画はますます増えていった。かくして(昔ながらの実況プレイファンにとっては)面白くない実況プレイ動画が増えていった。
 
 今後もこの流れは続き、実況プレイ動画は凋落していくのだろうか? それはわからない。未来のことは誰にもわからない。当たり前のことを言うなと怒られそうだが、わからないことはわからないのだから仕方ない。
 いろいろな未来が考えられるが、一つだけ確かなことは、実況プレイ動画を取り巻く環境を昔のような自由な気風に戻すことは、絶対にできないということだ。たとえ、ある日突然著作権法が改正され、あらゆるプレイ動画・改造動画・エミュ動画の投稿が完全に合法化したとしても。
 元々、実況動画を見るという行為の面白さは、それ自体がマイナーであるということに依っていたのではないかと思う。かつてのサブカルチャーがそうであったように。テレビにも雑誌にも載っていない、面白い動画を見ている自分、というバイアス。
 ニコ生のメーカー公式配信に出演するような人気実況者には、そういった「サブ」な印象はまるで見受けられない。全部見たわけじゃないから断言はできないけど。
 今後、彼らが人気を博すという形で、実況プレイ動画が盛り上がることはあるかもしれない。しかしそこに広がるのは、もはやかつての実況プレイ動画界隈とは全く別の景色となるだろう。
 とはいえ、それはあくまで「ニコニコ動画」の「実況プレイ動画」だけを見た場合の話だ。
 ゲームというものが存在する限り、そしてゲームプレイの楽しさを共有したいという気持ちが存在する限り、当面の間、実況プレイ動画もまた存在し続けるだろう。きっと。
 
 なんてことを書きながらテレビを点けていたら、お笑い芸人がスーファミのゲームをプレイしていて、そういう時代なんだなぁ、なんて思った。