rhのブログ

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あるVTuber集団にハマった人間の記録 #3

ショックを受けている。辞めたその人が特別に好きだったからではない。むしろメンヘラぶってガチ恋営業ばかりしているので好感度は高くなかった。

自分はそのVTuber集団をフォローすることによって、その集団が作り出す関係性、大げさに言えばユニバース全体を消費していた。

もちろんそれが視聴者に向けて構築されコントロールされたエンターテイメントだということはわかっていた。全部がウソなわけでもなければ全部が本当というわけでもない。

しかし今回の件は、そのようにしてこれまで築き上げられてきた幻想にヒビを入れるものだった。

事件の発端そのものが、ではない。もちろんあれ自体はかなり大きなミスだったのは間違いない。少なくともVTuberとしての人気には大いにダメージが入っただろう。

だとしても、「失敗してしまいましたすいません」という態度を取ってさえいれば、最低限の表面上の体裁を取り繕うことは出来たはずだ。後に禍根を残すことになったにせよ。

しかしその人はそうしなかった。様々な噂や憶測が流れてはいるが、その本意や真相は結局のところ部外者にはわからない。

ただ確かなことは、その人は今まで作り上げてきたエンターテイメント、イコール幻想を維持することを選ばなかったこと、少なくともその形跡が一つも見られなかったことだ。おそらく我々の与り知らない別の何かを優先したのだろう。

そのことにショックを受けている。

 

こうして改めて文章にしてみると、自分自身が結構グロテスクなことを考えていたんだな、と思い知らされる。

個人の利益より全体の幻想を優先することを願うだなんて。

 

それはそれである意味良かったのかもしれない。幻想が幻想だとはっきり再認識できたのだから。

それに元々、自分は自分にとって面白いと感じる配信をフォローしていただけだった(だからこそ件の人の配信はほとんど見たことがなかった)のだから、これからもそれを続けるだけだ。同じような気持ちで見続けられるかどうかはまだわからないけれども。